お茶の熟成(後熟)


                                          茶むりえ亭から引用

 その昔お抹茶の新茶は秋だってご存じですか?もちろん抹茶も同じ茶葉ですから収穫は初夏ですが、その年のお茶をはじめていただくのは秋なのです。茶道では「炉開き」いって、11月にその年(*)とれたお茶を抹茶にしていただきます。
 茶むりえ亭がある静岡県は、お茶どころ。駿府城(静岡県)に隠居した徳川家康は、お抹茶が大好きでした。江戸時代には駿府でてん茶も生産されていたようで、大日峠など3ヵ所に徳川家のお茶を貯蔵した氷室があったそうです。初夏に摘み取って製茶したてん茶(抹茶にひく前のお茶)を氷室(氷で冷やした倉庫)に保管しておいてお城へ運び、毎年お彼岸のあと、11月ごろに山から降ろしてきたそうです。そのお城に降ろしてくる行事が「お茶壷道中」で、最初に殿様がお茶壷の「封切り」をしました。そんなことから、秋になってはじめて飲むその年のお茶を「封切り茶」というんです。市位の人々が新茶を飲むことができるのは、将軍さまが封切りをしたあと。つまり、殿様より先に飲んではいけなかったのです。  
 では、なぜ昔の人は、わざわざ貯蔵して秋に抹茶を飲んだのか?それはもちろん、秋に飲んだ方がおいしいと思ったからです。これは、好みによってちがいますが、煎茶にも言えることなんですよ。新茶が大好きな方には「???」ってカンジでしょうけれど、これはワインやウィスキーの何年物というのと同じこと。涼しい場所で保管することで、乾燥させたお茶でも、ゆるやかに発酵して、まろやかな味になるからなのです。わたしたち茶業界では、このことを後熟と呼びます。
 今では、お茶問屋さんで低温保管して、新鮮な状態を保つ技術が進んだために、後熟したお茶はなくなりました。その変わりに登場したのが深蒸し茶です。蒸しを深くし、製茶の段階で後熟したような甘みを引き出したお茶です。農家のみなさんやお茶業界が編み出した「深蒸し」というお茶。実は昔からの熟成を加工で再現したものなのですね。  さて、この後熟。20度くらいの室温で、10日から2週間で後熟します。開封したばかりのお茶と2週間くらいたったあとのお茶では、きっと味がちがうはず。みなさんのお宅の冷蔵庫に初夏に買ったお茶があったら、ぜひ試してみてください。

新茶or熟茶?
 http://www.seibu.co.jp/clubon/seminar/0105/horiuchi/02.html

春野町での後熟茶の審査
 http://www.kurisakien.com/nizsi-9-25.htm

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